参照元ニュース:SNS事業者の「責任明確化」 偽情報、誹謗中傷対策の論点
2026年5月現在、SNS上の偽情報や誹謗中傷への対策は大きな転換点を迎えています。先日のニュースでは、選挙運動における偽情報の拡散を防ぐため、SNS事業者の責任をさらに明確化する法整備の検討が報じられました。法的な包囲網が敷かれる一方で、エンジニアとして私が危惧しているのは、法が追いつけないスピードで進化する「デジタル捏造」の技術的ハードルの低下です。
現代において、SNSの「スクリーンショット」はもはや証拠としての信頼性を失いつつあります。
Webエンジニアなら誰でも知っている通り、ブラウザの「要素検査(Inspect Element)」を使えば、HTMLの書き換えは数秒で完了します。他人の投稿内容を書き換え、あたかも不適切な発言があったかのように捏造した画面を作り上げ、それをキャプチャすることは子供でも可能です。さらに最近では、生成AIを用いたピクセル単位の画像加工が一般化しました。削除されたとされる投稿の「偽の証拠」を、背景のノイズやフォントの歪みまで完璧に再現して生成できてしまう。この「真実が容易に上書きされる」現状が、デジタル証拠の真実性を根底から揺るがしています。
この課題に対し、私が運営する「ProofBase」は、Suiネットワークを活用した「データの不変性」を解決策として提示しています。
ProofBaseでは、保存したいSNSの投稿やデジタルデータをキャプチャした瞬間、そのバイナリデータから一意のハッシュ値を算出します。このハッシュ値をSuiブロックチェーンに刻むことで、1ビットでも改ざんされれば検証時に即座に検知される仕組みを構築しています。
なぜ、数あるブロックチェーンの中でSuiなのか。それはSuiの「オブジェクトベース」のデータ管理モデルが証拠保存に最適だからです。従来のチェーンとは異なり、Suiではデータ(証拠)を独立したオブジェクトとして扱い、所有権やメタデータを厳格に管理できます。また、Move言語による堅牢なスマートコントラクトと、並列処理による高速なタイムスタンプ付与は、刻一刻と消え去るSNSの投稿を「その瞬間」に固定するために不可欠な性能です。
私たちは、単にデータを保存するサービスを作っているのではありません。技術を用いて、改ざん不可能な「真実のアンカー」をデジタル空間に打ち込みたいと考えています。
法が加害者を裁くためのルールなら、Web3は被害者が真実を証明するための「盾」です。デジタル証拠の捏造が当たり前になったこの時代だからこそ、エンジニアの端くれとして、コードと数学で「何が真実か」を証明し続ける決意です。