参照元ニュース:SNS事業者の「責任明確化」 偽情報、誹謗中傷対策の論点
現在、日本の国会ではSNS上の偽情報や誹謗中傷への対策として、プラットフォーム事業者の責任を明確化する法整備が進められています。特に2026年に入り、AIによる捏造画像や「要素検査(デベロッパーツール)」を悪用した巧妙ななりすまし投稿が裁判の証拠として提出されるケースが急増しており、法曹界でもデジタル証拠の「真正性」が最大の争点となっています。
これまでの裁判では、SNSのスクリーンショットが重要な証拠として扱われてきました。しかし、エンジニアの視点から見れば、これは極めて危うい状況です。ブラウザの「要素検査」機能を使えば、HTMLのテキストやユーザー名、アイコン画像、さらには投稿日時までもが、専門知識がなくとも数秒で書き換え可能です。これはローカル環境の一時的な変更に過ぎませんが、その状態をスクリーンショットとして保存してしまえば、パッと見では本物と区別がつかない「捏造された証拠」が完成します。
さらに、現代の生成AIはピクセル単位で画像を再構成します。かつてのような「コラ画像」特有の不自然な境界線は消え、メタデータまで偽装された場合、事後的な解析だけでその真偽を100%判定することはもはや不可能です。
私が運営する「ProofBase」は、この「後出しの解析には限界がある」という絶望的な現状を打破するために開発されました。私たちは証拠保存の基盤にSui Networkを採用しています。
ProofBaseが提供するのは、単なるデータの保存ではありません。情報の「発生時点での固定」です。ユーザーが証拠を保存した瞬間、そのコンテンツのハッシュ値を生成し、Suiのブロックチェーン上に刻みます。Suiは「オブジェクトベース」のデータ管理モデルを採用しており、一つひとつの証拠を独立した不変のオブジェクトとして扱うことができます。これにより、いつ、誰が、どのURLの情報を保存したのかという来歴(プロバンス)が、数学的な証明を伴ってネットワークに永続化されます。
Suiの圧倒的なスループットと秒以下のファイナリティ(確約)は、刻一刻と削除・改ざんされるSNS上の情報を、文字通り「瞬時」に不変の記録へと変えるために不可欠な要素です。一度チェーンに刻まれたハッシュ値は、たとえ世界中のエンジニアが集まったとしても後から1ビットたりとも書き換えることはできません。
デジタル化が進むほど、「何が真実か」という問いは重みを増していきます。エンジニアとして、そしてProofBaseのオーナーとして、私は技術を悪用した欺瞞を、より強固な技術で封じ込めたいと考えています。スクリーンショットが「ただの画像」ではなく、法的にも技術的にも「揺るぎない真実」として機能する社会へ。私たちはWeb3の力を借りて、デジタル世界の信頼の地平を築き直していきます。