参照元ニュース:その「SNS中傷」捏造かも 身に覚えない投稿で訴訟の恐れ

近年、SNS上での誹謗中傷やなりすましによる被害は、単なる個人間のトラブルを超え、法廷での「証拠の真実性」を揺るがす深刻な事態へと発展しています。本日注目したニュースでは、SNSの投稿内容を記録した「スクリーンショット」が証拠として提出されたものの、その投稿自体が実在しなかった可能性が浮上し、裁判の根幹が揺らいでいる実態が報じられました。

エンジニアの視点から言えば、この問題は「必然」です。なぜなら、私たちが日常的に目にするウェブサイトやSNSの画面は、きわめて容易に、かつ完璧に書き換えることができるからです。

例えば、Google Chromeなどのブラウザに標準搭載されている「要素検査(Inspect Element)」機能を使えば、HTMLの知識が少しあるだけで、数秒のうちに他人の投稿内容を書き換え、あたかもその人が不適切な発言をしたかのような画面を作り出すことができます。さらに昨今の生成AI技術の進歩により、ピクセル単位での整合性を持たせた画像捏造も容易になりました。これをただの画像(スクリーンショット)として保存した場合、それが「本物の記録」なのか「悪意ある加工品」なのかを後から判別することは、フォレンジック専門家であっても極めて困難です。

この「デジタル証拠の脆弱性」という社会課題を解決するために、私がオーナーを務めるProofBaseが採用したのが、Web3技術、とりわけ「Sui(スイ)ネットワーク」です。

ProofBaseでは、保存したいSNSのURLやデータを入力した瞬間に、その時点のコンテンツ内容をハッシュ値(データの指紋)として抽出します。そして、そのハッシュ値をSuiブロックチェーン上に刻みます。Suiは「オブジェクトベース」のデータ管理モデルを採用しており、一つ一つのデータが独立した資産として高い並列処理能力で扱われます。これにより、証拠が「いつ」「誰によって」「どのような内容で」保存されたかを、改ざん不可能な状態で永久に証明することが可能になります。

なぜSuiなのか。それは、証拠保存には「スピード」と「コスト」が不可欠だからです。誹謗中傷の投稿は、加害者によって数分、時には数秒で削除されます。Suiの低レイテンシなトランザクション完結性は、消えゆく真実を即座にネットワークに定着させるために最適です。また、従来のブロックチェーンに比べ、オブジェクト単位でのアクセス制御が容易なため、証拠の所有権や開示範囲の管理といった実務的なニーズにも合致しています。

デジタル空間における「真実」が、スクリーンショット1枚の加工で容易にねじ曲げられてしまう現状は、民主主義や法秩序に対する脅威です。私たちは「ProofBase」を通じて、悪意ある捏造から人々を守り、テクノロジーによって「何が真実か」を揺るぎないものにするインフラを提供し続けます。

エンジニアが作るコードの一行一行が、誰かの名誉を守る盾となる。それが、私たちがWeb3の社会実装に懸ける誇りです。